コンクリート腐食のメカニズム


コンクリートの劣化は、一般的に、経年劣化に伴う老朽化や外力などによって発生します。
これに加えて、下水道施設に用いられたコンクリートでは硫黄酸化細菌と鉄酸化細菌によって生成された硫酸による腐食が発生します。
ビックリート製品は硫黄酸化細菌と鉄酸化細菌に対して防菌作用をもつ“ビック剤”を混入しているので、腐食からコンクリートを守ります。

微生物の働きと酸の生成

硫黄酸化細菌(電子顕微鏡写真)

下水道管内では、硫化水素はそのほとんどが硫酸塩還元細菌によって作られます。この硫酸塩還元細菌の還元によって作られた硫化水素は、飽和状態または乱流によって水中から空中に放出されます。
空気中に放出された硫化水素は硫黄酸化細菌と鉄酸化細菌の働きによって酸化され、硫酸に変化します。

酸によるコンクリートの腐食

腐食されたコンクリート

コンクリートの主成分である水酸化カルシウムCa(OH)2は硫酸の作用によって硫酸カルシウム(二水石膏)とシリカゲルに変化します。シリカゲルは水に溶け易く、硫酸カルシウムは下水の飛沫などの少しの衝突でも崩落するパテ状の脆弱物質です。
このため、下水管内ではコンクリートの腐食・劣化が激しく発生します。腐食が著しい場合には、6年間の供用で60mm厚のコンクリートが30mm厚まで腐食し、鉄筋や骨材が露出した事例なども報告されています。